2023.03.16
馬油(マーユ・バーユ)のメリット&デメリット
馬油とは食用として飼育される馬の腹やたてがみなどの皮下脂肪から採取された「馬の油」のことです。動物性の天然油で古くからケガや火傷のケアに用いられてきました。そんな馬油も現代では乾燥肌やトラブル肌にも優しいスキンケアとして注目を集め、インフルエンサーが実践する馬油洗顔もSNS等で多数紹介されています。
馬油の主成分
主成分は約35%のオレイン酸(不飽和脂肪酸)と約25%のパルミチン酸(飽和脂肪酸)であり、またパルミトレイン酸の含有量がやや多いのが特徴です。人間の皮脂と近い構造を持ち、浸透力が優れているため年齢性別問わず、赤ちゃんからお年寄りまで幅広く使えるのはメリットです。
馬油の効果とは
①新陳代謝を活発化させ肌を美しくする
肌は年齢とともに乾燥し、しわが増え新陳代謝が衰えシミが消えなくなります。皮膚の弾力がなくなりハリや艶を失ってきます。これら肌の衰えに潤いを与えるのが「馬油」です。
馬油の血行促進効果により新陳代謝が活発になります。肌の乾燥への保湿作用によりシワの改善予防効果も期待されています。
②栄養と刺激を与え、髪を健康に保つ
毛髪は長年のパーマやヘアカラーで活性酸素が発生し、髪の老化を早めてしまいます。馬油によるマッサージで頭皮に浸透し栄養と刺激が与えられ、保湿性・保温性が高まり血液の循環が良くなります。その結果、新陳代謝が良くなり毛髪再生の周期が正常化されていきます。
③皮膚に浸透し炎症を抑える
皮膚に浸透した馬油は細菌類を吸収して油の中に閉じ込めてしまう捕菌(殺菌)作用があり、皮膚の化膿を食い止めます。そして油膜を張って空気を遮断することで活性酸素の生成を抑えるなどの2次的な酸化を防ぎます。
馬油に含まれる有効成分、不飽和脂肪酸のひとつであるαリノレン酸には血行促進、新陳代謝を上げる、殺菌作用、抗アレルギー作用などがあり、炎症を抑える効果に関わっています。
④耳、鼻、喉、またデリケートゾーンにも
馬油はラードと同様に食用なので、新しいものであれば基本的に口に入れても問題ありません。よって全身どこでも使うことができます。馬油は皮膚に浸透して様々な効力を発揮しますが、鼻、耳、口の中、陰部、肛門などの粘膜部分にも同じように使えます。(清潔に洗浄したあと塗布すること)
粘膜を保護して保湿し、菌の繁殖、炎症を抑えます。馬油の血行促進効果で自然治癒力の向上も期待できます。
⑤血流、血行が良くなり健康へ
馬油の高い浸透力による刺激によって血行が促進される作用、保湿性、保温性はさまざまな症状の改善に役立ちます。冷えによる体の不調を改善したり目の下のクマを改善したり新陳代謝がよくなることでシミ、シワの対策にも役立ちます。馬油を塗ってマッサージすることが基本です。
馬油のデメリット
① 酸化しやすい
油が空気に触れた時、酸素と結合して劣化が進むことを酸化と言います。馬油はリノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸の影響でこの現象が起きやすいとされています。品質の劣化を防ぐためにも蓋をきちんとして、冷暗所に保管するなどの対策をしていただくのがベストです。
② ベタつく
必要以上に付け過ぎるとベタつきが発生します。しかし使う量を調整すれば解消します。塗った直後にベタつく場合も皮膚に浸透していくので、しばらくするとスッと肌に馴染んでベタつきは解消します。
③ 独特の臭いがある
馬油は動物の油脂なので獣臭的な独特の臭みを感じることがあります。最近は精製技術の向上によりほとんど臭いを感じない製品も増えてきました。
④ 油焼けが心配
油焼けは肌に付いた油分が紫外線により酸化し、色素沈着やシミ、くすみを引き起こすことです。
酸化の原因は馬油に含まれる不純物であることが多いので純度の高い品質のものを選ぶことです。また馬油は肌に塗って数分で浸透していくので心配は不要です。外出の際はUVクリームなどの紫外線対策をおすすめします。